不妊治療中のフィジカル的な問題
「重度の乏精子症の私が子どもを授かるまで」シリーズVol.5
女性のからだにはどんな負担がかかるか
からだの負担という視点で考えたとき、射精可能な男性の場合には、採精すること以外には何もありません。
では、女性の場合はどうか?
体外受精や顕微授精においては、
卵子を取り出す = 「採卵」
という過程があります。
大きく分けると、この「採卵まで」と「採卵以降」という2つの局面に分けて考えると分かりやすいです。
採卵まで
採卵といっても、男性の採精とは大きく違います。
まず、女性の場合は排卵のタイミングが決まっていて、さらに1周期に1個しか卵子が作られません。
そのため、採卵する前に「排卵誘発」という過程が必要になります。
この過程では、投薬により一度に多くの卵胞を成長させたり排卵を促したりします。
ここでのフィジカル的な負担は、排卵誘発のための投薬の方法です。
なんと、
自分で自分のお腹に注射します!!
しかも毎日(;´゚д゚)ゞ
女は強し。
また、採卵時には膣から細長い針のようなものを卵巣内に入れるため、羞恥心や恐怖、そして痛みを伴います。
痛みを和らげるためには、麻酔を打つことになります。
私たちは全身麻酔でした。
その場合は前日から丸一日半の絶飲食となります。
私たちのクリニックでは、水一滴でもNGでした。
採卵以降
採卵が無事に終わると、基本的には入院なしで帰宅できます。
ただし、全身麻酔の場合には、ひとりでの帰宅や運転は認められません。
全身麻酔後は身体が本調子じゃないためです。
また、妻の場合は、採卵後にそれまでの投薬の影響で卵巣が腫れ上がり、激痛でした。
そして、採取した卵子が無事に受精卵となった場合には、
受精卵を子宮に入れる = 「胚移植」
を行うことになります。
胚とは、成長した受精卵のことだと思ってもらってよいと思います。
胚移植が無事に終わり着床が確認されると、心拍の確認を経て医師の許可が出ればば、晴れて不妊治療を卒業して妊婦となります。
前回に引き続き、男女の負担の差を実感していただけたのではないかと思います。
夫にできることはないのか?
今回のテーマであるフィジカル的な負担という意味では、
夫にできることはない
です。
痛みを変わってあげることはできないからです。
その分、というかだからこそ、
理解しようと努力すること、
物理的な時間を作り出し、寄り添うこと
それが最も大切だと思います。
結局、メンタル的な結論になってしまいました(笑)