流産
「重度の乏精子症の私が子どもを授かるまで」シリーズVol.7
流産ってなに?
まず、私は流産について、自分が経験するとも思っていなかったし、知識としても持っていませんでした。
私が勝手に思っていたのは、子どもが産まれることができずに流れ出てしまうことだという感じです。
確かにそういう流産もありますが、流産にもさまざまな種類があり、私たちが経験したのは稽留(けいりゅう)流産という流れ出ない種類のものでした。
個人的にはこっちの方がキツかったです。
私たちの場合
これまでの記事に書いてきたようなさまざまな過程を経て、初めての妊娠にたどり着いた私たち夫婦でしたが、残酷にもそのときは訪れました。
妊娠6週目になっても心拍が確認できません。
本来は、早ければ5週目から心拍を聞くことができます。
少し成長が遅いのかなと思っていましたが、7週目…
身体は大きくなっているけれど、心拍が確認できない。
本来認められるはずの成長が2週間停滞した場合には、稽留流産という診断になります。
つまり、このまま次の週まで心拍が確認できなければ、流産ということです。
流れ出たわけでもない
妻のからだにも異常はない
ちょっと成長が止まっているだけ
それでも、あと1週間変化がなければ流産…
やるせないような納得できないような気持ちでしたが、とにかく妻を励ますことしかできないと思って1週間過ごしました。
結果は…
一度妊娠した胚を取り出す手術の書類にサインして、手術もあっという間に終わりました。
流産をどうとらえるか
なんとも言えない切ない気持ちでした。
産まれた子が亡くなったわけじゃない
死産でもない
お葬式をするわけでもない
特に、早期の流産の場合には、元々発育できない運命にあった受精卵であったり、一昔前なら妊娠にすら気付かなかったりするような事例をも妊娠、そして流産と診断されます。
だからこそ、夫婦で話し合い、流産に対して同じ意味付けをして乗り越えていくことが必要だと思います。
例えば、日本では古くから、流産についてこのような解釈があるそうです。
「お母さんのからだの悪いものを赤ちゃんがすべて背負って取り除いてくれた」
妊娠とは母体にも命の危険も伴う行為です。
子どもは産めなかったけれど女性が無事に生き続けられることに感謝できる解釈だと思います。
また、運良く次回以降の妊娠で子どもを授かった場合に子どもに言って聞かせるのも良いと思います。
供養するという方法もあります。
法律上は子どもがいたことにはならないし、火葬や埋葬もありませんが、
「水子供養」
といって、この世に生を受けることができなかった赤ちゃんを弔う方法です。
死産や中絶の場合が多いと思いますが、流産の場合でも可能です。
私たちの場合は、このように捉えました。
「どこかに赤ちゃんの国みたいなところがあって、そこに一旦帰っていった」
私たち夫婦は明るい家庭をコンセプトにしているので、どんなことも笑顔で乗り越えようということで、話し合ったわけじゃないけれどそんな感じになりました。
不妊治療を頑張っているみなさんの元に赤ちゃんが来てくれますように、そして、不妊治療や流産に縁のない方にも何か考えてもらえるきっかけになりますように!!