サッカーおやじの妊活&子育て奮闘記

男が家族のためにできること

娘が教えてくれたゴミ収集車のこと

 

 

 

ある朝

 

娘を幼稚園に送りに行くときのことです。

 

 

コロナ禍をきっかけに、我が家では今、家族全員(息子1歳、妻35歳、私37歳)で年少の娘を車で幼稚園まで送っています。

そんな家庭はないかもしれないけれど、私の帰りが遅いので、家族の時間を午前中に持ってくるようにしています。

 

その日は、燃えるゴミの日だったので、娘と私がゴミを持って先にマンションの駐車場に降りゴミを捨てている間に、妻が息子を連れて降りてきて合流するという方法を採りました。

 

全員で一緒に降りると、玄関やエレベーターの入口でわちゃわちゃするので。

 

うちのマンションは駐車場のすぐそばの道路沿いにゴミ捨て場があります。

 

その日は、ゴミ捨てが終わった直後にちょうどゴミ収集車がやってきました。

 

ゴミ収集車到着

 

娘は女の子ですが、働く乗り物が大好きです。

バスとすれ違えば興奮するし、ショベルカーなどの工事車両なら平気で1時間その場で眺めています。

 

なので、このときも、

 

「ゴミ収集車!!!」

 

と叫び、立ち止まって待っていました。

 

大好きなゴミ収集車が娘の2メートル前に停まると、中から3人のおじさんたちが出てきて、手を振ってくれました。

こういうのは、子どもを介した大人同士のコミュニケーションでもあると思います。

 

「見てていいですよ」

「でもそれ以上は近づかないでくださいね」

 

という2つのメッセージを感じ取った私は、娘の後ろにしゃがんで抱きしめる形でそれ以上近づかないようにしながら、ゴミが車に吸い込まれる様子を、すごいねなどと言いながら一緒に見ていました。

 

想像力

 

おじさんたちは、ゴミの吸い込み口から少し離れ、投げ入れていました。

 

「子どもが見ているのにあんな感じで投げるのはどうかな」

 

と、私は思っていました。

 

すると、回転しているゴミの吸い込み口から、

 

ぶしゅっ!!

 

何かが潰れるような音がして、色のついた水分が噴き出しました。

 

飲み残しのジュースやスープ類だとは思います。

 

おそらく、おじさんたちはこのような何なのか分からない液体がかかる経験を何度もしているのでしょう。

だから、身を守るために、離れた距離からゴミを投げ入れていたのでした。

 

娘が、

 

「パパ、なんで投げてるん?」

 

と聞いてきたので、私は感じたままに

 

「さっきみたいに中身がぶしゅって出てきたらね、おじさんたちにかかってしまうよね。

そうならないように遠くから入れてるんやね。

乱暴に投げてる訳じゃないよ。」

 

数秒前なら、

 

「なんでかな?」

「優しく入れた方がいいよね」

 

と言ってしまっていたと思います。

 

自分自身の想像力が足りなかったなと思いました。

 

追い打ち

 

そうこうしているうちに、私たちが出したゴミ袋の番が近づいてきました。

 

ちなみに、おじさんたちは、私たちが出したゴミがどれなのかは知りません。

 

私たちのゴミの番になったときです。

 

私が朝慌てて追加で押し込んだおむつがこぼれ落ちました。

 

私は、あっ…と思いましたが、何も言わずにやり過ごそうとしました。

 

すると、すかさず娘が、

 

「あれ、わたしのおむつ?」

 

私は恥ずかしくなり、

 

「どうかな…?」 

 

としか言えませんでした。

 

 

しかし、おじさんが私たちのゴミ袋を持ち上げた瞬間でした。

 

「おもっ!!」

 

そして、おじさんが投げ入れようとした私たちの袋は、重すぎて吸い込み口まで届かず、手前でぶちまけられてしまいました。

 

おじさんたちが拾う我が家のゴミを、私は黙って見ていることしかできませんでした。

 

1枚のゴミ袋に少しでも多くのゴミを入れることや、ゴミ捨ての日の朝のゴミも家の中に残さないことなど我が家のことしか考えてなかった私は、浅はかだったと思いました。

 

さらに…

 

話はここで終わりません。

 

我が家のゴミがやっと片付けられ、最後のゴミ袋が投げ入れられた直後でした。

 

ブッシャーー!!

 

先ほどよりも強烈なニブい音がしました。

 

見ると、ゴミ収集車の吸い込み口の内側には、茶色い液体と固体の間のようなものが飛び散りました。

 

食べ残したカレーだとは思います。

 

ただ、先ほどぶちまけられた我が家のおむつの記憶も重なって、あまりにも不快でした。

 

 

気がつくと、娘と私の後ろには、妻と息子がいました。

 

我が家のおむつの場面ぐらいから見ていたようです。

 

娘を幼稚園に送ったあと、妻とこの話になりました。

 

私たちは今まで、ゴミ捨てひとつにここまでのことは想像したことがありませんでした。

 

これからゴミの捨て方が変わると思います。

 

娘が勉強しろと教えてくれたのだと思います。

どんな社会科見学よりも考えさせられました。

 

 

ちなみに、幼稚園から帰宅した娘は、おむつに履き替えてしゃがんで気張りながら、

 

「カレー出た!!」

 

と叫んでいました(笑)