アスリートに必要な能力
銀河系軍団から育成型へ
面白いテレビがありました。
芸能界最強水泳チームを作ってオリンピック選手を倒すという企画です。
これまでのこういう企画は、芸能界中からその競技の実績のある人を集めて作るのが普通だったと思います。
銀河系軍団みたいな感じですね。
今回、そうでないところがおもしろポイントでした。
候補者14人の中から4名の合格者の中に、上位2名が入っていなかったのです。
そして、最後に追加合格者として最下位の人が選ばれました。
これは、テレビを面白くするためだけの演出でしょうか?
育成年代のスポーツに当てはめてみる
サッカーが分かりやすいと思います。
スタメンやトレセンなどに、チームで1番上手い子と2番目に上手い子が選ばれずに、一番下手な子が選ばれるということです。
みなさんならどう感じますか?
他チームの指導者なら?
選ばれた子の親なら?
上手いのに選ばれなかった子の親なら?
上手いのに選ばれなかった本人なら?
たかがテレビですが、私はすごく可能性を感じました。
育成年代のスポーツにも応用できると思いました。
肝
選考の肝は、イメージする力でした。
一度泳いだあとに、ワールドクラスの選手の泳ぎを見せて、再び泳いでもらう。
選考の中心にいたオリンピックメダリストの立石諒さんは、「タイムはあまり関係ない」と言い切りました。
それよりも、映像を観てイメージを持って、それを泳ぎに反映できるかを観ているということでした。
分かりやすいし、面白いと思いました。
さらに、選考の材料にしたポイントに、映像を観たあとに泳ぐ前の発言にも注目し、「身体を伸ばして泳ごうと思います」と言った人を、イメージを持っていると評価し、選考しました。
まさに、サッカーでも、セレクションやトレセンの選考ポイントになるべきポイントだと思います。
足が速い、パワーがある、大きい、テクニックがある。
もちろん、これらも大切なポイントだとは思いますし、今試合をしたら、そういう能力を持っている子が多いチームが勝つでしょう。
しかし、その後にその子が伸びるかは、まったく別だと思います。
現に、上位2名を選ばなかった理由として、映像を観たあとに泳ぎに変化がなかったことを挙げていました。
高校トップレベルのタイムを出していた2名ですが、ワールドクラスの泳ぎを観てイメージを持って表現できないなら、伸びシロは感じられないということでしょう。
でも、そこへのフォローもしっかりありました。
「2人は、この結果を受けてきっといろいろ考えると思う」
きっとまたオーディションなどを行い、変化の可能性が見出だせれば選ぶのでしょう。
結果的に選ばれても、最初から選ばれているのとは訳が違いますよね。
こういう部分は競技を問わず、重要なポイントだと思います。
でも、プロのスカウトでも見落としがちな視点だとも思います。
もし、巷で、「えっ?なんで!?」と思うような選考があれば、それは、そういうことかもしれませんね。