全国大会を目指す少年たち2
昨日に引き続き、全国大会を目指すことの危うさを考えていきます。
全国大会を目指すリスク
昨日は、全国大会に出場した場合の危険性を綴りました。
しかし、ほとんどの選手やチームは、そこまでいけないわけですから、その場合のリスクを考えてみたいと思います。
昨日、全国大会は恐ろしいと書きましたが、今日の方が恐ろしいかもしれません。
全国大会を目指すデメリットは基本的には同じです。
でも、昨日の話はまだ、いい思いもしてる分、幸せなのかもしれません。
しかし、多くの子が背負っているリスクは今日の内容になるでしょう。
では、細かく考えていきましょう。
全国大会を目指そうと思ったら、チームとしてどんなことを重視する必要がありそうでしょうか?
- 試合に勝つための戦い方をする
- 試合に勝つための選手が出場する
- 試合に勝つための練習をする
当たり前だろうと感じる人は危ないと思います。
小学生でこんなことをするのは、選手を潰すことと同じ行為だと私は思います。
勝利を目指してはいけないのか
この種の議論では、必ず出てくる課題です。
これは解釈の問題で、「勝負に勝つ!」というメンタリティは子どもの頃から植え付けるべきだと思います。
「絶対試合に勝つ!」
「絶対この大会で優勝する!」
その気持ちが子どもをアスリートにしていくし、本気で勝つためにプレーするからこそ、負けたときの悔しさも味わい、それが成長に繋がります。
どんな年代でも、どんなレベルでも、公式戦でも練習試合でも紅白戦でも、負けていい試合など1つもないと思います。
しかし、それと、勝利至上主義は別です。
何よりも試合に勝つことを大人が優先してしまうと、過度な練習により成長を阻害したり、燃え尽きてしまったりします。
そして、今日一番挙げたいのはこれです。
試合に出られない子が生まれてしまうこと。
「当たり前じゃないか。」
「何を甘いことを言っているんだ。」
と思った方、ぜひもう一度考えてみてください。
これは小学生の話です。
小学生の間に、「お前は下手だ」とレッテルを貼られた子には、その後どんな未来が待っているのでしょうか。
多くの大人はこう言います。
「試合に出られないのも経験だ。」
「チームのためにできることをやれ。」
「チームの勝利のためだからしょうがない。」
試合に出られない経験もたまには必要かもしれません。
では、その経験はエースの子には必要ないのでしょうか?
その経験は、小学生のうちに何ヵ月もしなければならない経験でしょうか?
チームの勝利のためなら小学生の子どもの成長の機会を捨ててもいいのでしょうか?
これらはすべて、大人の世界、せめて高校生からの話だと思います。
育成とは?
出場時間の長さに差はあっていいと思いますが、メンバー入りする選手はみんな試合に出ることが少年サッカーの常識になってほしいです。
あまりこういうことは言いたくないですが、ヨーロッパでは、U-12年代ではチーム全員が試合に出るのが当たり前だし、全国大会もありません。
U-12の日本チームのヨーロッパ遠征などでは、よく日本のチームが世界的なクラブのアカデミーに勝ったりします。
でも大人になったら全く歯が立ちません。
その理由をみんなで考えましょう。
答えは1つじゃないと思います。
そして、ヨーロッパの真似が正解とも限りません。
日本には日本の文化があり、歴史があります。
その中で、受け継ぐべきことと、変化すべきことを見極めていきたいものです。
目先の勝利より、子どもの成長を考えましょう。
だれかの言葉です。
言葉自体もうろ覚えです。
でも、意味は100%覚えています。
「チャレンジした時点で勝ち。
だって、成功するか失敗するかはわからないけど、100%成長できるから。」
子どもがチャレンジする機会を与えてあげることこそが大人の役割なのかもしれません。