チーム戦術の組み立て方
昨日の続きです。
今日はチーム戦術の組み立て方について考えます。
高校生のチーム戦術
高校生ぐらいになると、客観的に物事をとらえることができるようになり視野も広くなるので、上手いかどうかにかかわらず、ピッチ全体やゲーム全体を捉えてプレーすることが可能になります。
「下手だから戦術以前の問題」
「難しいことは考えずにとにかく走れ」
などと言わずに、チーム戦術の構築にトライしましょう。
では、どのように構築していけば良いのでしょうか。
現在の戦力から考える
戦術に選手を合わせるか、選手に戦術を合わせるか?
という議論は割愛します。
詳しくは、昨日の記事をご覧ください。
これからチーム戦術を組み立てるにあたっては、まず現状の戦力を客観的に分析しましょう。
現状の戦力分析に際しては、一番ざっくりとした方法をご紹介いたします。
チームの分析
チーム全体としてどんな選手が多いか?
- スピードのある選手が多い
- 技術的に優れた選手が多い
- 体力のある選手が多い
- 我慢強く黙々と取り組める選手が多い
- やんちゃで飽きっぽい選手が多い
など。
個人の分析
チームに影響力のある中心的な数名の選手はどんなタイプか?
など。
ちなみに、上記の中で、「優れた」「できる」といった評価は、目標から比較してどうか?という基準で観ると良いです。
例えば、県大会出場が目標であれば、地区大会レベルのチームの中で技術の高い選手が多ければ、「技術的に優れた選手が多い」チームと言えるでしょう。
また、リーグ戦での昇格が目標であれば、同じリーグ内でトップクラスのドリブラーがいれば、ドリブラーを生かした戦術が立てられるでしょう。
有効な戦術
チーム戦術を構築するときに注意したいのは、目的を外さないことです。
チームの目標達成に近づくため=試合に勝つ可能性を高めるためにチーム戦術があります。
もちろん勝敗は水物ですが、選手たちが成長している実感を持てるように変化していれば、いい方向にいっていると言えるでしょう。
具体的な戦術はおそらく無数にあると思いますが、大きくは攻守に3つずつに分けられると思います。
守備
- 前線からプレッシング
- 中盤でボールを奪う
- 自陣まで引き込んで奪う
攻撃
- 相手の背後を狙う、押し込む
- 中盤で相手を動かす
- 自陣から細かく組み立てる
これらを組み合わせて、より具体的なイメージを共有するとよいでしょう。
たとえば、体力のある選手が多くて、展開力のあるボランチとスピードのあるサイドアタッカーがいれば、守備では前線からのプレッシングで相手のビルドアップを混乱させ、ボールを奪ったら中盤でボールを動かしながらサイドへの展開を狙う、サイドから仕掛けられる状況になれば、ゴール前に人数をかけてクロスからの得点を狙う。
もうひとつ。
我慢強く黙々と取り組める選手が多くて、リーダーシップのあるCBと点取り屋がいれば、守備ではCBのコーチングを中心DFとMFで自陣で粘り強く守り、ボールを奪ったらFW中心に少人数のカウンターで得点を狙う。
この戦術は弱者の戦い方と言われますが、相手との力の差があるからと言って、この戦術が成功するとは限りません。
粘り強く守れるベースがチームにあり、守備を統率できる選手とカウンター要因となる選手がいて初めて有効となる戦術だと思います。
相手が格上でも中盤にテクニカルな選手が多ければ、相手に攻めさせないためにボール保持にトライするというのもアリだと思います。
チームの特長、選手の特長を捉えて、最大限勝利に近づけるような戦術を構築してトレーニングに励みましょう。