高校生のサッカーのトレーニングとチームづくり
今日は高校生のサッカーについて考えたいと思います。
高校生のサッカー
高校生のサッカーは育成の集大成と言えるでしょう。
ただ、年齢的に、本人も保護者も現実的に将来を考えるようになります。
なので、高校選びの時点で、プロを目指すか大学を目指すか、高校でサッカーを辞めるかなど、ある程度決めている場合も多いと思います。
そのあたりが3年間のモチベーションの違いにずいぶん表れてしまうことも多いでしょう。
どのレベルでプレーするにしても、まずはこれまで続けてきた大好きなサッカーに日々全力で取り組む!
という気持ちを持って高校年代のサッカーを始めることを前提で話を進めていきます。
高校生のトレーニング
高校生になると、多くの選手の身長が止まります。
それは、同時にパワーやスピードのトレーニングに適した状態になる合図でもあると言えるでしょう。
まずは、怪我無くプレーし続けられたり、ハードなトレーニングにも対応できるように身体を作りましょう。
チームとしてでも個人的にでも構わないと思いますが、サッカーの戦術的な練習と別に筋力トレーニングや体力トレーニングの時間を確保しましょう。
フィジカルトレーニングの詳細についてはここでは割愛しますが、目的を明確にすることが大切です。
高校サッカーでよく見られる走り込みなどの追い込むトレーニングが悪いわけではないと思います。
ただ、フィジカルトレーニングとして行うのであれば、瞬発的な能力アップ、心肺機能の向上、スピード持久力の向上など、目的に合わせて走る距離や本数、休憩時間をコントロールしましょう。
そこを感覚で決めるのは、そういったトレーニングに関しての知識や経験を十分持った上で、選手の疲労度合いなどによってその場で適切に調整できるようになってからだと思います。
また、メンタルトレーニングとして行う場合には、試合まで何週間、または何日あるか、現在のチーム全体のコンディションはどんな状態か、などによって不必要な怪我を引き起こさないようにコントロールしながら行いましょう。
戦術的なトレーニング
高校年代のサッカーでは、中学生までと違い、チーム戦術が重要になってきます。
高体連であれ、街クラブであれ、Jクラブであれ、よりチームとしていかに戦いいかに勝つかということを考える必要があるからです。
これは、レベルに関係ないと個人的には感じます。
弱小チームであっても、プレーする選手は心も身体も高校生です。
みんなサッカーが大好きでこのチームで1試合でも多く勝ちたいと思ってプレーしていることでしょう。
指導者の方はぜひ、明確なチーム戦術を授けてあげましょう。
保護者の方は、専門の指導者がいるチームであれば余計な口は出さずに見守ってあげましょう。
専門の指導者がいなくて、子どもたちにすべて任されているようなチームにお子さんがいる保護者の方は、子どもたちでチーム戦術を考えるように促してみてはいかがでしょうか。
戦術に選手を当てはめるか、いる選手に合わせたチーム戦術を構築するか
これは、そのチームの状況によると思います。
伝統的に「このチームのサッカー」というものがあれば、それを踏襲しながら、適切なポジションに選手を置いてあげるのがよいと思います。
また、選手たちは、「自分はどこのポジションでどんな役割で勝負すればこのチームで試合に出られるか、勝利に導けるか」ということを考え続けることが大切だと思います。
高校生にもなれば、自分がやりたいポジションよりも自分が活きるポジションを見つけましょう。
一方、特に伝統的な戦い方がないチームや創設間もないチームでは、在籍している選手に合わせて戦い方を考えるのが良いでしょう。
そのうちに、みんなの心に残る大会や、転機となる試合などが出てきます。
そういったものを蓄積しながら、「おれたちのチームってこうやって強くなったよな!」というようなものを見つけていくと、それが自分たちらしさというものになっていくのではないでしょうか。
または、「あの先輩がつけていた○番はお前がつけろ」的なことの積み重ねから、「このチームではこういう選手が何番をつける」というものが確立されていくのもいいと思います。
しかし、ここで注意すべきは、1つの番号だけをエースナンバーにしないということです。
サッカーは11人の意思疎通が噛み合わなければいいプレー、いいゲームはできません。
理想的には、そのチームの歴史から、すべての番号に意味を持たせられると最高ですね。
明日は、チーム戦術にはどんなものがあるか、どんな風に組み立てていくかを考えてみます。