中学生のサッカーの戦術とトレーニング
昨日は、中学生のサッカーの仕組みについて考えました。
今日はもう少し戦術的な内容で考えたいと思います。
中学生のサッカー
昨日も挙げたように、中学生になると、ボールが大きくなり、人数が増え、そしてピッチが広くなります。
その中で、いきなり大人のようなサッカーをさせようとしても上手くいくわけはありません。
3年間かけて少しずつ丁寧に進んでいきましょう。
まずは、大きなボールを正確に蹴れるようになることです。
まっすぐ飛ばす感覚も変わるでしょうから、5号級を自由に扱えるようになりましょう。
ここで注意すべきは、飛距離です。
最初から遠くまで蹴ることはできません。
無理に飛距離を伸ばそうとすると、無理なフォームになったり、身体に負担がかかりすぎたりする可能性もあります。
そして、ピッチが広くなり人数が増えても、届かないところまでは見えないし、関われません。
レベルや身体の大きさによりますが、半径20~25mぐらいの距離の状況把握ができて、ボールからそれぐらいの距離までで関われるようになれれば十分だと思います。
例えば、左SBがボールを持っているときに、右SHの選手のポジショニングまで観れなくてもいいし、右SHの選手も、もう少しボールが近づいてきたらどうするかを考えてればOKだと思います。
いくらそこでフリーになっても、逆サイドから60mのパスが飛んでくることはないからです。
どんなトレーニングをするか?
では、5号級を自由に扱えるようになることと同時に考えるべきことは何か?
それは、個人戦術とグループ戦術の徹底です。
先ほどの通り、中学生、特に下級生がボールを蹴れる距離・関われる距離が20~25mだとすると、その範囲内ぐらいでの局面のトレーニングを反復することが最も必要で効果的だと思います。
具体的には2対2~5対5でのトレーニングです。
これを、ゴール前、中盤、サイド、中央など、エリアや状況を設定して、攻撃方向やゴールを明確にすると実戦で同じような局面が出てくるので、トレーニングの効果が実感できるでしょう。
これなら、少人数のチームでも、使える範囲が狭いグラウンドでも十分トレーニングできます。
必ずしもフルピッチの11対11ができなくてもサッカーの上達が可能です。
もちろん、大事なのはトレーニングメニューだけでなく、そこで何を考えさせるか、何を獲得させるかです。
設定したエリアや状況によって、目的やプレーの優先順位を明確にしてトレーニングを反復しましょう。
3年生になる頃に、6対6以上のより実践的なトレーニングや紅白戦、セットプレーなどに少しずつ取り組めれば良いと思います。
試合では?
中学生にとって、試合は貴重な成長の機会です。
思いっきり自分を表現させてあげましょう。
その中で、見てあげるべきは、トレーニングのときと同様に、ボール周辺の2~5人がどのようにボールに関わろうとしているかです。
次のプレーを予測して動いていたり、意図が明確なポジショニングや動き出し、コーチングなどがあれば見逃さずに評価してあげるのが良いと思います。
また、中学3年間で、ある程度のポジション(ディフェンダーか中盤の選手かストライカーかなど)の適正を見極めて、複数のポジションを経験しておきましょう。
早くて中学3年生から、高校2年生くらいまでに勝負する1つのポジションが決まれば良いと思います。
実りある3年間を過ごして、育成の集大成とも言える高校年代に進みましょう!