ひとつのことだけに向かうリスク
今、各年代のスポーツの大会が軒並み中止や延期になっています。
最後の大会
インターハイや高校選手権、高円宮杯、春高バレー、甲子園など、中高生にとっての最後の大会と位置付けられる大会がその憂き目に合い始めています。
最後の晴れ舞台のチャンスを失った、または失うかもしれない子どもたちや保護者、指導者の方のお気持ちはお察しします。
私もその一人ですから。
では、こんなとき、どのように気持ちを整理すればよいのでしょうか?
そして、子どもたちにはどう声を掛けたらいいのでしょうか?
だけがすべては危ない
例えばインターハイ。
さまざまなスポーツで高校最後のそして最大の大会でしょう。
そこにチャレンジする機会を失ったとき、多くの子どもや大人が絶望したり、どこかに怒りをぶつけようとしてしまったりすると思います。
しかし、どうでしょう。
冷静に考えれば、青少年のスポーツの大会が中止になるのは、現状仕方のないことで、だれも悪くないです。
それに、ひとつの大会がなくなったらまた次頑張ればいいことです。
「次なんてない!」
「今年の夏は1回しかない!」
確かにそうかもしれません。
でも、それを言えば、すべての大会や試合は本来一期一会ですし、心残りなら、引退せずに続けたり次の進路先でも続けたりして、今回の経験をバネにまた頑張ればいいだけのことです。
メディアや大人の責任が大きいと思いますが、育成年代のひとつの大会だけの位置付けを大きくし過ぎるのは危険です。
そもそも、その競技が大好きで、純粋に上手くなりたくて始めたんだとしたら、「試合」は「試し合い」。
日頃の積み重ねの成果を表現する場のひとつのはずです。
私たちは侍ではないです。
戦いの場で、即死はあってはなりません。
勝っても負けても、戦えなくても、次があるんです。
ぜひ、今年、大きな大会への出場機会を失った青少年たちが、競技をやめてしまわずに、また次の機会に備えてトレーニングに励むことを祈るばかりです。