母の記憶~その後⑦
私の少年時代の母の記憶と、母が亡くなってからの印象的な出来事を綴っています。
辛い回もありますが、ぜひ最初から全部読んでいただけると嬉しいです。
私たち家族は、離ればなれになりました。 父と弟は近くに住んでいたので、父は定期的に弟に会いに行くようになりました。 私は、結婚する前に、今の妻を何度かうちに連れてきていました。 特殊な家族の形を受け入れてもらえるかどうかが、私にとってはとても大きなことでした。 妻は、弟のことを理解しようとしてくれました。 3人で一緒に食事をしたり、映画を観に行ったり、祖母の家にも行きました。 弟も祖母も、妻のことを大好きになり、心から結婚を喜んでくれました。 そして、私は父の家にも妻を連れていきました。 父は、奥さんもいたのでその場では普通でしたが、だれよりも私の結婚を喜んでくれていることがわかりました。 この日の帰り際、生涯心に刻まれる出来事がありましたが、先に1年後の話をします。 私が結婚とともに遠方に引っ越すということもあって、結婚式は籍を入れた1年後に行いました。 そのときには、父の奥さんにお母さんのポジションで参加してもらいました。 結婚式に参加する人に変な疑問を持たせてしまっては、せっかく来てもらった人に申し訳ないし、参加することで私の家族にも会ってもらえれば、何かしら感じてもらえることもあると思いました。 もちろん、式には父の家族も母の家族もいます。 その中で父の奥さんに母親のポジションで参加してもらうことに意味があると思いました。 喜んで参加してくれたし、それ以降なんとなく仲良くなれたような気もするので、まあ良かったと思います。 結婚式では、いろんな人に感謝を伝えることができたので、自分としてはとても満足しています。 個人的に一番良かったのは、ファーストバイトという、ウェディングケーキの一口目。 これを、私の手で祖母に食べさせてあげたことです。 いつも人を従えているたくましい祖母もこのときばかりは泣いていました。 そして、父が最後のスピーチで泣きながら笑いを取っていたのがなんとなく誇らしかったです。
新しい家族
父への報告
結婚式