「重度の乏精子症の私が子どもを授かるまで」シリーズVol.2
おさらいです。
不妊治療の方法は大きく4つ(タイミング法、人工授精、体外受精、顕微授精)あります。
私たちの治療法は…?
どの方法にするかは、妊娠できる可能性により総合的に判断されます。
タイミング法以外の不妊治療では、まず夫が採精します。
私たち夫婦のような、妻に問題がない男性不妊の場合は、顕微授精になることが多いです。
その理由としては、人工授精も体外受精も最終的には精子が自ら卵子の中に入っていかなければならないため、受精可能な精子の数や運動性がある程度必要になるからです。
精子自体が自分で卵子の中に入ることが難しい場合に、顕微授精により卵子の中に直接1個の精子を注入します。
そのため、ざっくりまとめても、
と長い道のりです。
また、各ステップにおいて、さまざまな壁やリスクがあります。
それは今後少しずつ紹介していきます。
「受精」と「授精」
ところで、みなさんお気づきでしょうか?
ここまでの文章の中で「受精」と「授精」という二つの言葉が出てきました。
この二つ、実は意味も使い方も違います。
「受精」は、一般的に使われている言葉で、精子が卵子の中に入り受精卵(=胚といいます)になること。
「授精」の方がマイナーだと思います。
これは、てへんが付くぐらいなので、人の手で精子を子宮や卵子に授けることを意味します。
そのため、
「人工授精」…人工的に子宮内に精子を届ける
という意味でこのようなネーミングになっています。
ちなみに、「体外受精」が「受精」となっているのは、精子も卵子も体外に取り出しはするものの、シャーレの中では人の手を加えず自然に受精するらからと考えれば納得していただけますでしょうか?
図にすると、各ステージは以下のようにまとめられます。
数字は、それぞれの治療法による出産が日本で初めて成功した年です。
新しい医療だということがわかると思います。
だからこそ、多くの人に知ってもらう必要があります。
近年、男性不妊が増えているというデータも目にしますが、私は一概にそうとは言えないのではないかと思っています。
それまでは表面化していなかっただけで、人に言えずに諦めていた人たちや養子をもらって育てていた人たちがいます。
医療の進歩と時代の変化により、男性不妊という言葉が情報として少し認知されたり、不妊治療の成功例が取り上げられたりして、表に出てきているだけだと思います。
改めて、子どもが生まれるということは奇跡なんだなと思います。
しつこいようですがサッカーに例えます
不妊治療(男性不妊)について話してきましたが、これまでは戦術&技術的なことがメインでした。
明日からは、メンタル&フィジカル的な話題に移っていきたいと思います。
みなさん、よいお年を!!